一戸建ての購入を検討する時に始めに悩むポイントとして、「建売住宅」と「注文住宅」どちらにしようかと悩みますよね。
今回はそんな建売住宅と注文住宅のそれぞれのメリット・デメリット解説していきます。
建売住宅とは
建売住宅とは、建物と土地がセットで販売され、設計プランが決まっている住宅のことです。
販売タイミングは様々で、完成済みのものから着工前や建築中のものもあり、入居までの期間は1ヶ月から4ヶ月程度です。価格も比較的安く、生活のイメージがしやすい点が魅力です。
建売住宅や注文住宅と比較すると、建売住宅は完成済みの建物と土地がセットで販売される点が異なります。
注文住宅と比べて時間や手間、コストがかからず、土地を所有していない人にも購入しやすいとされています。
建売住宅のメリット
建売住宅のメリットは主に3つあります。
・価格が安い
・入居までの期間が短い
・実際の物件をみてから購入ができる
それぞれのメリットを詳しくみていきましょう。
価格が安い
住宅金融支援機構が発表した、2022年度フラット35利用者調査をもとに、建売住宅と注文住宅それぞれの購入価格や月々の返済額の相場を見ていきます。
建売住宅 | 土地付注文住宅 | 注文住宅 | |
世帯年収 | 593.8万円 | 659.5万円 | 623.7万円 |
住宅面積 | 101.9㎡ | 111.5㎡ | 122.8㎡ |
敷地面積 | 136.9㎡ | 201.6㎡ | 252.7㎡ |
購入価格 | 3719.0万円 | 4694.1万円(土地+建物) | 3716.7万円 |
手持ち金 | 317.7万円 | 449.6万円 | 641.2万円 |
融資金 | 3184.9万円 | 4017.7万円 | 2967.2万円 |
月々の返済額 | 10.9万円 | 13.1万円 | 10.2万円 |
引用:2022年度フラット35利用者調査(https://www.jhf.go.jp/files/400366726.pdf)P18-P20
土地付き注文住宅の価格は、土地の購入費と建築費の合計を示しています。同様に、建売住宅の価格も土地代を含みます。土地付注文住宅と建売住宅の価格差は約830万円です。
注文住宅は土地を取得していることが前提としているため、土地の購入費はほとんど含まれていません。
したがって、土地代を考慮すると、建売住宅<土地付き注文住宅<注文住宅の順で価格が高くなる傾向があります。
入居までの期間が短い
建売住宅は完成品を購入できるため、支払いや手続きが完了すれば直ちに入居が可能です。
実際の物件を見てから購入できる
設計図面や3Dイメージだけでなく、実際の建物を見て選ぶことができます。
広さやデザインなどを実物を見て確認できるので、想像と違った!といったトラブルを防ぐことができます。また、音漏れや日当たりなど、図面だけでは把握しづらい要素も実際に確認できます。
建売住宅のデメリット
建売住宅のデメリットは主に3つあります。
・間取りやデザインに制約がある
・品質の一貫性に欠ける場合がある
・日当たりが悪い物件もある
それぞれのメリットを詳しくみていきましょう。
間取りやデザインに制約がある
建売住宅は、一般的に既存プランに基づいて設計されるので、お客様自身の好みやニーズと完全に一致しない場合があります。
このため、特に個性的な間取り・デザインや特定の機能を求める場合は、建売住宅よりも自分たちで設計する注文住宅の方が適している場合もあります。
建売住宅のプランは、不特定多数に受け入れられるデザインや機能が優先される傾向があるため、個々のお客様の細かな要望に合わせることが難しいケースがあるのが事実です。
建売住宅では満足できない場合や、より個性的な住まいを求める場合は、注文住宅も選択肢に入れて検討される方もいます。
品質の一貫性に欠ける場合がある
建売住宅は大量生産されるため、個々の建物の品質に一貫性が欠ける場合があります。
例えば、同じプランであっても、異なる現場や施工業者によって最終的な仕上がりが異なることもあります。
このようなばらつきは、建売住宅の購入者が直面するリスクの一つでありますが、素人の目からするとなかなか発見できない場合が多いです。
施工業者や使用される材料の品質管理に不備がある場合、建物の耐久性や品質に問題が生じる可能性がありますので、建売住宅を選ぶ際は建築会社の信頼性や品質管理体制に注目することが大変重要となります。
建築会社が厳格な品質管理体制を持ち、施工業者の選定や材料の品質管理を徹底して行っているか確認してみてください。また、建物完成後のアフターサービスや保証制度が存在するかを事前にチェックしておくことで、建売住宅の品質リスクを最小限に抑えることができます。
日当たりが悪い物件もある
建売住宅は、大きな土地の中に何棟もの住宅が建てられるため、日当たりの悪い住宅が生じることがあります。
日光不足は、室内の湿気やカビの発生を促進し、居住環境を悪化させる原因となります。
また、日光が不足することで、冬季の暖房費が増加する可能性もあり、慎重に検討が必要です。
さらに、日当たりが悪い住宅では、居住者の心理的な健康や幸福感にも影響を与えることがわかっており、光の明るさや景色を楽しむことができない環境では居住者の生活の質が低下する可能性があります。
周囲の建物や地形、建物の配置や向きなどによって日中に十分な日光が入らない場合がありますので、建売住宅を選ぶ際には時間帯を変えて内見をすることも非常に重要です。
南向きの窓や庭があるなど、日光が十分に取り入れられる設計の住宅がオススメです。
注文住宅とは
注文住宅とは、お客様自身の要望に合わせて建築される住宅のことです。
住宅メーカーや建築会社が、お客様と打ち合わせを重ねて、間取りやデザイン、素材、設備などをすべてをカスタマイズして建築されます。
つまり、お客様が住宅の設計に直接関与し、自分たちの理想の住まいを手に入れることができるのが大きな魅力です。このプロセスでは、建築家や設計士との綿密なコミュニケーションが欠かせず、お客様のニーズを正確に把握し、それを実現するための設計が行われます。
注文住宅は、家族構成やライフスタイル、予算などを考慮して、完全にオーダーメイドされるため、一つのプランやデザインにとらわれることなく、自由度が非常に高いです。
ただし、プロセスは建売住宅よりも時間がかかるため、それに伴う手間や労力、費用の面での準備が必要です。
注文住宅のメリット
注文住宅のメリットは主に3つあります。
・カスタマイズ性・自由度が高い
・予算にメリハリをつけられる
・建築過程や進捗をチェックできる
それぞれのメリットを詳しくみていきましょう。
カスタマイズ性・自由度が高い
注文住宅の最大のメリットは、その高いカスタマイズ性と自由度です。
お客様は自分たちの理想の住まいを実現するために、家族構成やライフスタイル、好みに合わせて、完全にオーダーメイドされた住まいを手に入れることができます。
このカスタマイズ性は、お客様のニーズや要望を建築家や設計士と共有し、細部にわたって反映されます。
例えば、子供部屋や趣味のスペース、ワークスペース、収納スペースなど、ライフスタイルに合わせた間取りが実現可能です。また、外観・内装のデザイン、使用素材や設備についても自由に選択することができます。
注文住宅はお客様が自分たちに最適化された夢の住まいを実現するための有力な選択肢であり、そのカスタマイズ性と自由度は建売住宅にはない魅力です。
予算にメリハリをつけられる
注文住宅ではお客様が住宅を自由にカスタマイズできるため、予算に合わせて選択肢を調整することが可能です。
例えば、来客の目につくリビングには高価な素材・設備を使用し、2階のプライベート空間は予算範囲内で控えめな選択をする等の柔軟な選択が可能となります。
このように、お客様が自分たちの予算に応じて細かくコントロールできるため、無駄な出費を抑えながら理想の住まいを実現することができます。
また、建築プロセス全体において購入者自身で予算を管理しやすいのも注文住宅の特徴です。
建築プロセスの初めから予算を明確に設定することができ、建築家や設計士との初期の打ち合わせで予算を考慮したプランニングが行われます。
ここで、予算に応じた建物の規模や仕様、素材などを選択することができ、無理のない予算計画が立てられるため後々の費用の過不足を防ぐことが可能となります。
さらに、建築中にも予算の管理が行われ、建設中に想定外の追加費用が発生した場合や設計変更に伴う費用増加が生じた場合には、早めに対処することができます。
建築過程や進捗をチェックできる
注文住宅だと建築過程や進捗具合など常にチェックすることができます。
建築途中で、気になる点や違和感があった場合すぐに設計士や現場担当と会話や質問することが可能で、安心して家づくりをすることができます。
また、設計から関わる機会が多くなるため、建売住宅と比較して住宅への愛着度が高まることでしょう。
注文住宅のデメリット
注文住宅のデメリットは主に3つあります。
・希望の土地が見つかりにくい・地域制限がある
・入居までの期間が長い
・トータルの費用が高い
それぞれのメリットを詳しくみていきましょう。
希望の土地が見つかりにくい・地域制限がある
すでに土地を所有している場合を除いて、注文住宅は一般的に土地探しから始まりますが、お客様が理想とする土地を見つけることが難しい場合があります。
交通の便が良い、自然環境が美しい、周囲の環境が安全で静かなどといった好条件の土地は限られており、特に都心部や人気のある地域では競争が激しくなります。
希望の条件にぴったり合う土地を見つけることは困難であり、妥協点を見つけて土地を購入する方が多いのが実情です。
さらに、地域によっては建築制限や規制がある場合があります。
土地利用制限や建物の高さ制限、外観や色彩の制限など、地域によって異なる規制が存在します。
これらの制限によって、お客様の建築プランやデザインに影響が出る可能性があり、希望とは異なるデザインを採用しなければならない場合もあります。
注文住宅の検討の際には、土地の周辺環境や建築制限について事前に建築会社へ細かく確認する時間と労力が欠かせません。
入居までの期間が長い
注文住宅はお客様の要望やニーズに合わせて建築されるため、建築プロセスが長期間に渡り、入居までの期間が長くなります。
建築プロセスは複数の段階に分かれており、それぞれに時間がかかります。
⑴設計:お客様と建築家や設計士が打ち合わせを行い、間取りやデザインなどの基本的な要素を決定します。お客様ニーズの正確な把握、それを具現化するための設計に多くの時間がかかります。
⑵建築準備:建築許可の取得や工事の開始までの準備にも時間が必要です。建築許可の取得には地域の規制や手続きに従う必要があり、数週間〜数ヶ月かかることが一般的です。この期間に建設業者や建材の手配なども実施されます。
⑶建築工事:建物の規模や複雑さ、季節や気象条件によって工期は異なりますが、一般的には数ヶ月〜数年にわたることがあります。
このように、注文住宅は入居までに時間がかかるため、希望する時期に引っ越すことが難しいケースや、仮住まい費用の増加などのコスト面の問題に直面する可能性があります。
長期間に渡るプロセスを乗り越えた先に満足度の高い住まいが待っています。
トータルの費用が高い
注文住宅はカスタマイズ性が高い反面、コストが高額になることがあります。
建材や設備の選択肢が豊富にある点は魅力的ですが、高級な素材や設備を選択するとその分建築コストが増加します。
また、お客様の要望やニーズの変化、設計や施工の問題発生などの理由で建築中に仕様変更が生じる場合、追加費用が発生する可能性が高く、コスト増加の要因となります。
建売住宅と注文住宅の比較ポイント
建売住宅と注文住宅を「コスト」「デザイン・設備」「入居タイミング」でそれぞれ比較してみた表が以下です。
コスト | デザイン・設備 | 入居タイミング | |
建売 住宅 | ◯ 予算に合わせて購入できる | ◯ 万人受けするように企画されている | ◎ 完成済みであれば即入居可能 |
注文 住宅 | △ 予算にメリハリはつけられるが、予算オーバーのリスクあり | ◎ 購入者の要望に合わせてカスタマイズ可能 | × 土地探し、設計、建築に長期間かかる |
建売住宅はコストもデザイン・設備も予算や企画されたものから選ぶ形となりますが、入居タイミングは完成済みであればすぐにでも入居可能です。
対して注文住宅は、コストもかかり土地探し〜完成でもかなりの時間の要しますが、こだわりの間取りやデザインも細かく決められる点が魅力的です。
建売住宅と注文住宅どっちがいい?
建売住宅と注文住宅それぞれのメリット・デメリットをみてきましたが、結局自分にはどっちが向いているのか気になりますよね。
最後にそれぞれどんな人が向いているのか確認していきましょう。
建売住宅に向いている人
・コストをなるべく低く抑えたい
・すぐに家が欲しい
・家のデザインや細部へのこだわりが特にない
そんな方は建売住宅をおすすめします。
建売住宅は既に建っている、もしくは建設中の家であり引越しまでの期間が短く、間取りに関してもプロの設計士が考えた構造なので万人受けする家になっています。
ただし自分にカスタマイズされたような間取りや独自のこだわりが強い場合は、注文住宅がおすすめです。
注文住宅に向いている人
・楽しんで家作りしたい
・家に強いこだわりがある
・住空間が大切
そんな方には注文住宅をおすすめします。
注文住宅は、ハウスメーカーと一から間取りなど決めていき資材も細かく決めるため、打ち合わせの回数もかなり多くなる傾向にあります。
しかし、その分住空間をより快適なものにすることができ、建売住宅では叶えることができない細かいデザインや設計にも対応が可能なのが魅力の一つです。
まとめ
建売住宅と注文住宅にはそれぞれメリット・デメリットがあり、人によって向き不向きがあります。
また価格や納期も異なりますので、自分にあった家づくりをしていきましょう。
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