「全館空調を入れたいけど、メーカーごとに何が違うの?」──家中の温度差をなくす全館空調は、いまや注文住宅の人気オプションです。ただし方式・初期費用・空気清浄機能・電気代・保証はメーカーによって大きく異なり、選び方を間違えると後悔につながります。
この記事では、住友林業オーナーであるアンテナ主が、主要8社の全館空調システム(エアロテック・Z空調・PRIME AIR・スマートブリーズ・快適エアリー・エアロハス・スマート・エアーズ・さらぽか空調)を方式・初期費用・空気清浄・電気代・保証で徹底比較します。全館空調の方式の違いやメリット・デメリット、選ぶ際の注意点まで解説するので、自分に合ったシステム選びの参考にしてください。
【2026年版】主要全館空調システム比較一覧
主要ハウスメーカーの全館空調システムを一覧にまとめました。価格・電気代はモデル・地域・住宅性能で変動するため、目安としてご覧ください。
| メーカー/システム | 方式 | 初期費用の目安 |
|---|---|---|
| 三菱地所ホーム エアロテック | ダクト式(第一種換気一体) | 約200万円台(実質標準) |
| 住友林業 PRIME AIR | ルームエアコン+調湿換気 | 約160〜240万円(オプション) |
| 三井ホーム スマートブリーズ | ダクト式/ワンはエアコン式 | 約130〜210万円 |
| セキスイハイム 快適エアリー | 床下設置(第一種換気一体) | 商品による |
| 桧家住宅 Z空調 | ルームエアコン+換気 | 約111万円(最安クラス) |
| パナソニックホームズ エアロハス | ダクト式(地熱利用) | 約200万円 |
| トヨタホーム スマート・エアーズ | 各階1台(ダクト式) | 約100〜125万円 |
| 一条工務店 さらぽか空調 | 床冷房+デシカント換気 | オプション(床暖房は標準級) |
※ 初期費用は第三者情報を含む目安です。本体価格を公式非公表のメーカーもあります。電気代・保証はモデル・条件で変動するため、契約前に各社公式で最新の見積もりをご確認ください。
全館空調の3つの方式|初心者向け解説
全館空調は大きく3つの方式に分かれます。方式によって初期費用・電気代・メンテナンス性・故障時のリスクが変わるため、まずここを理解しましょう。
- ①ダクト式(専用機械型):天井裏や床下に専用の空調機を置き、ダクト(管)で各部屋に風を送る。均一で強力だが、初期費用・機械交換コストが大きい。(例:エアロテック、スマートブリーズ エース/プラス、エアロハス)
- ②ルームエアコン活用型:市販のルームエアコン1〜2台の冷暖気を家全体に循環。ダクトが短く初期費用・電気代を抑えやすく、故障時も市販品で交換しやすい。(例:Z空調、PRIME AIR、スマートブリーズ ワン)
- ③床下エアコン・床冷暖房型:床下や床パイプで輻射的に冷暖房。足元が快適で気流感が少ない。(例:快適エアリー、一条さらぽか空調)

初期費用と故障リスクを抑えたいならルームエアコン活用型、強力な均一空調を求めるならダクト式が基本の選び方です。

初期費用を比較|安い順に可視化
主要システムの初期費用の目安をグラフにしました。バーが短いほど初期費用が安いことを表しています。
全館空調システムの初期費用(目安)
バーが短いほど安い(万円)。設置条件・住宅規模で変動します
初期費用では桧家住宅のZ空調(約111万円)とトヨタのスマート・エアーズ(約113万円)が最安クラスです。これらはルームエアコンを活用する方式で、大手ダクト式の約半額に抑えられています。一方、エアロテックやエアロハスなどのダクト式は約200万円台と高めですが、UV除菌やHEPAフィルターなど空気清浄機能が充実しています。
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空気清浄・除菌機能で比較
全館空調は24時間換気と一体のため、空気清浄機能も重要な選定ポイントです。花粉症やアレルギー対策を重視するなら、この観点で比較しましょう。
| システム | 空気清浄・除菌機能 |
|---|---|
| エアロテック(三菱地所) | UV除菌(深紫外線LED)+光触媒フィルター。花粉・カビ胞子約97%カット、PM2.5対応 |
| エアロハス(パナ) | HEPAフィルター標準で花粉・PM2.5を99.97%除去 |
| スマートブリーズ(三井) | エース=プラズマクラスター、プラス=活性炭脱臭フィルター |
| PRIME AIR(住友林業) | 高性能フィルターで花粉・PM2.5除去、無給水で除湿・加湿 |
| Z空調/スマート・エアーズ | 市販エアコンのフィルター準拠(シンプル構成) |
空気清浄機能ではエアロテック(UV除菌)とエアロハス(HEPA99.97%除去)が突出しています。花粉・ウイルス対策を最優先するなら、この2システムが有力です。一方、Z空調やスマート・エアーズは機能をシンプルにして初期費用を抑える割り切った設計です。
全館空調のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 家中の温度差が小さくヒートショック対策になる | 初期費用が高い(約100〜300万円) |
| 廊下・洗面・トイレ・浴室まで快適 | 本体が故障すると家中の空調が止まる |
| 24時間換気と空気清浄を一体化できる | 修理費が高額になりやすい |
| 室内機が目立たずスッキリ | 高気密・高断熱でないと電気代が膨らむ |
全館空調の最大のメリットは家中の温度差がなくなる快適性です。冬のヒートショック対策としても有効で、廊下やトイレも暖かく保てます。一方、デメリットは初期費用の高さと故障リスクです。特にダクト式は本体が故障すると家中の空調が止まり、修理費も高額になりがちです。故障リスクを抑えたいなら、市販エアコンで交換しやすいルームエアコン活用型(Z空調・PRIME AIRなど)が安心です。
8社の全館空調を1社ずつ深掘り|仕組み・費用・向き不向き
比較表だけでは各システムの本当の個性は見えてきません。ここからは、仕組み・初期費用・電気代・強みと弱み・どんな人に向くかを1社ずつ深掘りします。同じ「全館空調」という名前でも、設計思想はメーカーごとにまったく異なることが分かるはずです。
三菱地所ホーム「エアロテック」|部屋ごとに温度設定できる元祖ダクト式
エアロテックは1995年から続く全館空調のパイオニアで、三菱地所ホームではほぼ全棟に搭載される実質標準仕様です。1台の室内空調機が冷暖房・第一種換気・空気清浄・除湿を担い、天井裏のダクトで各室へ空気を送ります。最大の特徴はVAV(可変風量)制御で、電動ダンパーが部屋ごとの風量を自動調整し、1部屋ずつ温度設定を変えられる点です。「全館空調=家中同じ温度」の常識を覆し、寝室は涼しく、リビングは暖かくといった使い分けができます。

費用は初期約200万円台(実質標準のため建物価格に込み)、電気代は公式試算でオール電化の場合の年間冷暖房費が約4.8万円と、個別エアコン運用(約9.7万円)の半分程度をうたいます。保証は最長10年で、深紫外線LEDによるUV除菌と光触媒フィルターも搭載します。
- 強み:部屋ごとの個別温度制御ができる希少なダクト式。UV除菌など空気質性能も最高クラス
- 弱み:本体が故障すると家中の空調が止まる。15〜20年目の機器更新で150万円前後の交換費用がかかった実例があり、長期コストは重め
初期費用・更新費用よりも空調品質と空気清浄を最優先する人、部屋ごとに温度の好みが分かれる家族に向いています。逆に、建物本体も含めた総予算を抑えたい人には過剰スペックになりがちです。
桧家住宅「Z空調」|ダイキン共同開発で最安クラスを実現
Z空調は桧家住宅(ヒノキヤグループ)がダイキン工業・協立エアテックと共同開発した全館空調で、累計35,000棟超とシェアNo.1の実績があります。仕組みは各階の天井裏(小屋裏・階間)にダイキン製エアコンを設置し、第一種熱交換換気システム「ココチE」と連動させて家中に空気を送るというもの。専用の大型空調機を使わず量産ルームエアコンをベースにしているため、初期費用が約111万円〜と大手ダクト式の半額クラスに抑えられています。これが「低価格の理由」です。

電気代は年間7〜11万円程度(月5,000〜9,000円)が目安とされ、10年間の無償保証が付くのも安心材料です。エアコンが階ごとに独立しているため、1台が故障してももう1階は動き続けます。
- 強み:初期費用最安クラス、10年無償保証、ダイキン製で交換もしやすい
- 弱み:階ごとの一括制御のため部屋ごとの細かい温度調整は苦手。冬の乾燥や吹出口まわりの結露・カビ、風量音を指摘する声もあり、加湿器の併用がほぼ必須
「全館空調は欲しいが200万円は出せない」というコスト重視の人に最有力です。一方、部屋ごとに温度を変えたい人や加湿機能まで求める人には物足りません。
三井ホーム「スマートブリーズ」|加湿までできるエースと低価格なワン
三井ホームのスマートブリーズは3つのラインナップから選べるのが特徴です。最上位の「エース」はダクト式の専用機で、冷房・暖房・除湿・換気・空気清浄に加え大手で唯一クラスの「加湿」「脱臭」まで7役をこなすのが売りで、初期費用は約200万円前後。プラズマクラスターも搭載します。一方「ワン」は市販の大型エアコン1台で全館を空調する廉価版で、約130〜150万円と導入しやすい半面、対応は延床40坪以下が目安で加湿・脱臭機能はありません。

- 強み:加湿対応(エース)は乾燥に悩みやすい全館空調の弱点を補える。予算に応じて3グレードから選べる
- 弱み:エースは初期費用・メンテナンス契約のコストが重め。ワンは実例で冬場の電気代が月2〜3万円というケースもあり、断熱仕様と運転方法の影響が大きい
冬の乾燥対策まで全館空調に任せたい人はエース、三井ホームの枠内でコストを抑えたい人はワンが候補になります。
セキスイハイム「快適エアリー」|床下から暖める第一種換気一体型
快適エアリーは、鉄骨ユニット工法のセキスイハイムならではの基礎断熱された床下空間に空調ユニットを設置し、床のグリル(吹出口)から各室へ冷暖気を送るシステムです。第一種熱交換換気と一体で、足元からじんわり暖まるため床暖房なしでも冬の足元の冷えを解消しやすいのが持ち味です。費用目安は1階のみで約80〜200万円、2階にも入れると+50〜150万円。電気代は温暖地なら月1万円台に収まる実例が多い一方、間欠運転より連続運転の方が効率的というクセもあります。

- 強み:足元からの暖房感は床暖房に近く、ヒートショック対策に有効。第一種換気一体で花粉対策も可能
- 弱み:床グリルの掃除が2週間に1度程度必要で手間がかかる。2階まで入れると費用対効果が落ち、「2階は個別エアコンで十分だった」という施主の声も多い
セキスイハイムで建てる前提なら、1階のみ快適エアリー+2階は個別エアコンという組み合わせがコスパの定番です。
パナソニックホームズ「エアロハス」|地熱利用とHEPAフィルターが武器
エアロハスは床下の地熱を利用するユニークなダクト式全館空調です。外気をいきなり空調機に入れず、夏は外気より涼しく冬は暖かい床下空間を通して「プレ空調」してから熱交換するため、空調+換気の電気代を一般的な全館空調より約26%削減できるとされています。空気清浄は0.3μmの微粒子を99.97%捕集するHEPAフィルターを標準搭載し、花粉・PM2.5対策では最強クラスです。部屋ごとの温度設定にも対応します。

初期費用は約200万円。電気代は35〜40坪の目安で中間期は月5,000〜8,000円、夏は月1万〜1.5万円、冬は月1.5万〜2.5万円程度と季節差があります。
- 強み:HEPA標準+地熱利用の省エネ設計。部屋ごとの温度設定も可能
- 弱み:冬場の乾燥が指摘されており加湿器の併用が前提。ダクト式ゆえに将来の機器更新費も見込んでおく必要がある
アレルギー・花粉症対策を最優先しつつ、電気代もできるだけ抑えたい人に向くシステムです。
トヨタホーム「スマート・エアーズ」|各階独立の2ユニットでリスク分散
スマート・エアーズは1階用・2階用の空調ユニットを天井裏に1台ずつ設置する方式で、価格は延床約36坪(120㎡)まで100万円(税抜)、それ以上で125万円(税抜)と明朗会計なのが特徴です。Z空調と並ぶ最安クラスながら、階ごとに独立したユニットのため片方が故障してももう1階の空調は生きており、「全滅リスク」を構造的に回避できるのは見逃せないポイントです。フィルター掃除も簡単で、1階・2階で別々の温度設定・運転スケジュールを組めます。

電気代は名古屋の実例で9か月の運転により約8.6万円(月約1万円)という報告があり、個別エアコン運用より月3,000〜5,000円高くなるイメージです。
- 強み:価格が明朗で最安クラス。各階独立で故障リスクを分散できる
- 弱み:制御は階単位で部屋ごとの温度調整は不可。加湿・高度な空気清浄機能はなく、機能はシンプル
「そこそこの価格で全館空調の快適さが欲しい、機能はシンプルでいい」という現実派に向いています。
一条工務店「全館さらぽか空調」|世界初の床冷房+デシカント調湿
一条工務店の「さらぽか空調」は、他社とはまったく発想が異なる世界初の床冷房システムです。標準級で全館に張り巡らされた床暖房パイプに夏は冷水を通して床から輻射冷房し、デシカント式換気システムで湿度を除去、天井のサーキュレーターで空気を循環させます。風を直接当てずに「さらっと涼しい」環境を作るため、エアコンの風が苦手な人には唯一無二の選択肢です。換気は熱交換効率最大90%の「ロスガード90」が全棟標準です。

オプション費用は坪1.5万円程度(35坪で約50万円)と全館空調としては破格で、電気代も床冷房+除湿で月1.1万円程度、デシカント除湿のみなら月3,000円程度という実例があります。これは一条の超高断熱・高気密(業界トップクラスのUA値)が前提だからこそ成り立つ数字です。
- 強み:気流感ゼロの冷房、導入費・電気代とも安い。床暖房は標準級で冬も快適
- 弱み:冷房能力はマイルドで、猛暑日はエアコン併用になる家庭も。デシカント換気は約10年で交換となり40万円程度の費用がかかる。一条の建物専用で他社では採用不可
エアコンの風や乾燥が苦手な人、超高断熱住宅を建てる前提の人には最有力候補です。キンキンに冷えた部屋が好きな人には向きません。
大和ハウス「エアヒーリング」|エアコン1台+HEPAの循環設計
今回の比較表8社には含めていませんが、参考として大和ハウスの「AIR HEALING(エアヒーリング)」にも触れておきます。高効率ルームエアコン1台で家全体を空調するエアコン活用型で、0.3μmの微粒子を99.97%以上捕集するHEPAフィルターを通して空気を循環させ、居室ごとの温度設定にも対応します。冷暖房を使わない中間期にも空気循環を続ける「循環モード」を備え、1年中フィルターを通ったきれいな空気を保てるのが特徴です。価格は個別見積もりですが、一般的な全館空調と同じく100〜300万円の範囲が目安です。エアコン活用型でありながらHEPA清浄と個別制御を両立させた、後発ならではのバランス型と言えます。
住友林業の全館空調|PRIME AIRとエアドリームハイブリッド
住友林業の全館空調は、2025年5月に発売された新型「PRIME AIR」が現行モデルです。従来の「エアドリームハイブリッド」の後継として、大きく進化しています。
- PRIME AIR(新型):ルームエアコン1台+デシカント調湿換気の方式。VAV制御で各室の風量を5段階で個別調整、無給水で除湿・加湿。旧型比で初期費用約2割・電気代約4割削減
- エアドリームハイブリッド(旧型):ダクト式で、他社にない「外気冷房機能」(外が涼しいとき自然の空気で冷房し自動切替、熱交換効率最大85%)が特徴。アズビルとの共同開発で2015年グッドデザイン賞受賞
住友林業は高機能ダクト型から「省コスト・省エネのエアコン活用型」へ舵を切ったのが特徴です。PRIME AIRは初期費用を抑えつつ、無給水加湿など快適性も両立しています。エアロテックのような強力なUV除菌はありませんが、コストと快適性のバランスを重視する住友林業らしい全館空調と言えます。詳しくは住友林業の空調・換気システムを解説した記事もご覧ください。
PRIME AIRの仕組み|エアコン1台と調湿換気で家中を空調
PRIME AIRの構成をもう少し詳しく見てみましょう。心臓部は18畳用クラスのルームエアコン1台と、床置きダクト式の第一種熱交換換気システム「デシトップマルチベント」です。換気装置の熱交換部にデシカント材(乾燥剤)を使うことで、換気しながら水を給水せずに除湿・加湿を行い、室内の湿度を年間を通じて40〜60%にキープできます。エアコンで作った冷暖気は床下のダクトを通じて各室へ分配され、VAV制御により部屋ごとの風量を5段階で調整可能。就寝時は風量を絞って穏やかに空調するなど、暮らしに合わせた運転ができます。

費用は導入で約160〜240万円、電気代は月6,000〜15,000円程度が目安です。従来型のエアドリームハイブリッドと比べ初期費用が約2割安く、一般的な全館空調と比べ電気代を約4割削減できるとされています。心臓部が量産ルームエアコンなので、将来の更新もエアコン交換ベースで済みやすいのは長期的な安心材料です。
ビッグフレーム構法との相性と費用面の注意点
住友林業の主力であるビッグフレーム(BF)構法は、幅560mmのビッグコラムで支える梁勝ちラーメン構造のため、大開口・大空間・吹き抜けのある間取りを作りやすいのが特徴です。こうした間仕切りの少ない開放的な間取りは個別エアコンだと温度ムラが出やすく、家全体をひとつの空間として空調するPRIME AIRとは相性が良いと言えます。360°TRIPLE断熱による高い断熱性能が土台にあることも、全館空調の電気代を抑えるうえで有利に働きます。
一方で注意したいのは総予算です。住友林業の坪単価は2026年7月時点で110〜130万円が目安と大手の中でも高めの水準にあり、そこにPRIME AIRの160〜240万円が上乗せされます。建物本体で予算がタイトな場合、全館空調より断熱強化や間取りに予算を回す判断も十分に合理的です。
アンテナ主が全館空調を採用しなかった理由|個別エアコン+第一種換気という選択
実はアンテナ主は住友林業で建てる際、全館空調を採用せず個別エアコン+第一種熱交換換気の組み合わせを選びました。検討の末にこの構成にした理由は次の3つです。
- ①費用対効果:全館空調に150万円以上かけるより、その予算を断熱・窓・間取りに回した方が体感の快適性が上がると判断した
- ②故障・更新リスクの分散:個別エアコンなら1台壊れても他の部屋は無事で、交換も家電量販店で1台十数万円から。専用システムの一括更新リスクを避けられる
- ③温度の好みの違い:家族で「寝室は涼しめ、リビングは暖かめ」と好みが分かれるため、部屋ごとに完全独立で制御できる個別エアコンの方が我が家には合っていた
住んでみた実感として、高断熱の住友林業の家であれば、個別エアコンでも家全体の温度差はかなり小さく抑えられます。第一種熱交換換気のおかげで換気による熱ロスや花粉の侵入も少なく、「全館空調でなければ快適にならない」ということはありませんでした。もちろんPRIME AIRの湿度管理や意匠性(室内機が見えない)は魅力なので、予算に余裕があり湿度コントロールまで求める方には有力な選択肢です。このあたりの比較は住友林業の空調・換気システム解説記事で詳しくまとめています。
- 空気清浄・除菌を最優先 → エアロテック(三菱地所)/エアロハス(パナ)
- 初期費用・故障リスクを抑えたい → Z空調(桧家)/スマート・エアーズ(トヨタ)
- コストと快適性のバランス・木の家 → PRIME AIR(住友林業)
🏠 建築総額シミュレーションで費用感を把握しましょう
住友林業での家づくりを検討する際は、事前に建築総額のシミュレーションを行い、年収や坪数に応じた費用目安を把握しておくことが大切です。
当ブログでは、年収・坪数・地域を選択するだけで簡単に建築総額の目安がわかる建築総額シミュレーションツールを用意しています。
※ 例えば住友林業で延床面積35坪の場合、建物本体価格は約3,850〜4,550万円、諸費用込みの総額は約4,800〜5,600万円が目安です。
全館空調を選ぶ4つの注意点
- ①高気密・高断熱が大前提:住宅の断熱・気密性能が不足していると、全館空調を入れても電気代が膨らみ効果が出にくい
- ②故障時のリスクを確認:ダクト式は本体故障で家中の空調が停止し修理費も高額。ルームエアコン活用型は交換が容易でリスクが低い
- ③電気代は前提条件で変わる:35坪の高断熱住宅で年12〜18万円(月1〜1.5万円)が一つの目安。住宅性能と地域で大きく変動
- ④メンテナンス費用と保証を確認:フィルター清掃の頻度、業者点検(年1回 約5万円)、保証年数(Z空調10年無償・エアロテック最長10年など)を必ずチェック
全館空調は「高断熱・高気密の住宅とセットで初めて真価を発揮する」設備です。断熱性能の低い家に導入すると電気代がかさむため、まずは住宅本体の性能を確認したうえで検討しましょう。
電気代の実例比較|公式試算と実測はどれくらい違う?
全館空調の電気代は「公式試算」と「実際に住んだ人の実測」で差が出やすい項目です。公表値と施主の実例を整理しました。
| システム | 電気代の実例・試算 | 備考 |
|---|---|---|
| エアロテック | 年間冷暖房費 約4.8万円(公式試算) | オール電化・冷暖房分のみの試算 |
| Z空調 | 年間 約7〜11万円 | 月5,000〜9,000円目安 |
| スマート・エアーズ | 9か月運転で約8.6万円(施主実例) | 名古屋市・月約1万円ペース |
| さらぽか空調 | 床冷房+除湿で月 約1.1万円(施主実例) | 除湿のみなら月3,000円程度 |
| エアロハス | 年間消費電力 約4,000〜5,500kWh | 冬は月1.5万〜2.5万円と季節差大 |
| スマートブリーズ ワン | 冬場に月2〜3万円の実例あり | 断熱仕様・運転方法の影響大 |

実例を見比べると、ならして月1万円前後、冬のピークで月2万円前後が現実的なラインです。公式試算と実測に差が出る主な理由は次の3つです。
- ①試算の範囲が違う:公式値は「冷暖房分のみ」で、24時間換気や送風ファンの電力を含まないことがある
- ②電気単価の上昇:試算時より電気料金の単価が上がっており、同じ消費電力でも支払額は増える
- ③断熱性能と地域差:同じシステムでもUA値や地域(温暖地か寒冷地か)で消費電力は大きく変わる
見積もり段階では「その試算に換気・送風分は含まれていますか」「同じ地域・同じ断熱仕様の実例はありますか」と確認するのがおすすめです。
全館空調で後悔しやすい6つのパターンと対策
実際に導入した施主の声から、後悔につながりやすいパターンとその対策を整理しました。契約前にチェックリストとして使ってください。
- ①電気代が想定を超えた → 断熱・気密性能が不足した家に入れるのが典型例です。UA値・C値を先に確認し、同条件の入居者実例で電気代を聞きましょう
- ②冬の乾燥がつらい → 全館空調は連続暖房のため湿度が下がりやすい設備です。加湿機能付き(スマートブリーズ エース、PRIME AIR)を選ぶか、加湿器の設置場所と電源を設計段階で用意しておきます
- ③カビ・ダクト内の汚れが不安 → フィルター清掃の頻度と、ダクト清掃の可否・費用を契約前に確認します。年1回程度の業者点検(約5万円)を維持費として最初から予算化しておくと安心です
- ④家族で温度の好みが合わない → 家中同じ温度が逆にストレスになるケースです。部屋ごとに設定できる機種(エアロテック、エアロハスなど)を選ぶか、個別エアコン併用を検討します
- ⑤故障時に家中の空調が止まった → ダクト式一体型の宿命です。各階独立型(スマート・エアーズ、Z空調)やエアコン活用型を選ぶとリスクを分散できます。保証年数と延長保証の条件も必ず確認を
- ⑥更新費用を知らなかった → 15〜20年後の機器更新で100万円超かかる例があります。「更新時期の目安と費用」を見積もり時に書面で確認し、月々の修繕積立に織り込みましょう
共通するのは、後悔の多くが「入居後に判明する情報」を契約前に確認しなかったことに起因する点です。電気代の実例・メンテナンス費・更新費の3点は、必ず数字で確認してから契約しましょう。
全館空調なしで快適にする代替案|高断熱+個別エアコン
ここまで読んで「やっぱり費用が気になる」という方に伝えたいのは、全館空調だけが家中を快適にする方法ではないということです。アンテナ主自身も採用している「高断熱住宅+個別エアコン+第一種熱交換換気」という構成は、有力な代替案になります。
- 初期費用が安い:エアコン2〜3台+第一種換気で数十万〜100万円程度に収まり、全館空調より50〜150万円ほど浮く。浮いた予算を断熱・窓の強化に回せる
- 故障・更新に強い:1台壊れても他室は無事。交換も市販品で1台十数万円からと読みやすい
- 部屋ごとの自由度が高い:使わない部屋は止められ、家族それぞれの温度の好みにも対応できる
成立の条件は住宅本体の断熱・気密性能です。目安としてUA値0.5前後以下・C値1.0以下クラスの高断熱住宅なら、少ない台数のエアコンを連続運転するだけで家全体の温度差はかなり小さくできます。逆に断熱が不十分な家では、個別エアコンでも全館空調でも快適性と電気代の両立は難しくなります。
弱点は、廊下・脱衣所など空調の届きにくい場所に多少の温度差が残ることです。これは間取りの工夫(廊下を減らす・扉の開けやすい動線にする)や、脱衣所への小型暖房の設置でカバーできます。全館空調を「入れる・入れない」の二択ではなく、「その予算で断熱を強化した場合とどちらが快適か」という視点で比較すると、自分の家に合った答えが見つかります。
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また、アンテナ主の理想とする家づくりとマッチした営業担当Hさん、設計士Iさんにご担当いただけた事で楽しく進める事ができました!
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※ 紹介制度は住友林業の展示場訪問前(資料請求前)に申し込むことが条件です。展示場訪問後の後付け申請は原則できないため、住友林業が候補に入っている方は早めの利用がおすすめです。
よくある質問(FAQ)
桧家住宅のZ空調(約111万円)とトヨタホームのスマート・エアーズ(約100〜125万円)が最安クラスです。どちらも市販のルームエアコンを活用する方式で、大手ダクト式の約半額に抑えられています。Z空調は累計35,000棟超のシェアNo.1で、10年間の無償保証も付きます。初期費用を重視するなら有力な選択肢です。
35坪の高断熱住宅で年間12〜18万円(月1〜1.5万円)が一つの目安です。例えばエアロテックは公式試算で冷暖房費約4.8万円/年(オール電化)、Z空調は年7〜11万円という実績があります。ただし電気代は住宅の断熱・気密性能、地域、使い方で大きく変わります。断熱性能が低い家では電気代が膨らむため、全館空調は高気密・高断熱の住宅とセットで検討することが大切です。
ダクト式(専用機械型)は本体が故障すると家中の空調が止まり、修理費も高額になりがちです。一方、ルームエアコン活用型(Z空調・PRIME AIR・スマートブリーズ ワンなど)は市販のエアコンで交換しやすく、故障時のリスクが低いのが利点です。故障リスクを重視するならルームエアコン活用型、保証の手厚さ(Z空調10年無償・エアロテック最長10年など)も確認して選びましょう。
三菱地所ホームのエアロテック(UV除菌+光触媒フィルターで花粉・カビ胞子を約97%カット、PM2.5対応)と、パナソニックホームズのエアロハス(HEPAフィルターで花粉・PM2.5を99.97%除去)が突出しています。花粉症やアレルギー対策、ウイルス対策を最優先するなら、この2システムが有力です。三井ホームのスマートブリーズもプラズマクラスターや活性炭脱臭など機能が充実しています。
PRIME AIRは2025年5月発売の新型で、エアドリームハイブリッドの後継です。旧型のエアドリームハイブリッドはダクト式で「外気冷房機能」が特徴でしたが、新型PRIME AIRはルームエアコン1台+デシカント調湿換気の方式に刷新され、旧型比で初期費用約2割・電気代約4割削減を実現しました。VAV制御による各室風量の5段階個別調整や無給水での除湿・加湿も可能です。これから住友林業で全館空調を検討するならPRIME AIRが現行モデルになります。
まとめ|全館空調は「方式」と「住宅性能」で選ぶ
全館空調システムはメーカーによって方式・初期費用・空気清浄機能が大きく異なります。
- 初期費用・故障リスク重視:Z空調(桧家・約111万円)、スマート・エアーズ(トヨタ)
- 空気清浄・除菌重視:エアロテック(三菱地所・UV除菌)、エアロハス(パナ・HEPA99.97%)
- コストと快適性のバランス・木の家:PRIME AIR(住友林業)
大切なのは、全館空調は高気密・高断熱の住宅とセットで初めて真価を発揮するという点です。まず住宅本体の断熱・気密性能を確認したうえで、方式(ダクト式かエアコン活用型か)と空気清浄機能、保証を比較して選びましょう。気になるシステムが絞れたら、実際の展示場で体感してから判断してください。
🏠 住宅ローンシミュレーションで月々の返済額を確認しましょう
住友林業での家づくりを検討する際は、事前に住宅ローンのシミュレーションを行い、月々の返済額や総返済額を把握しておくことが大切です。
当ブログでは、借入額・金利・返済期間を入力するだけで簡単に月々の返済額や総返済額がわかる住宅ローンシミュレーションツールを用意しています。
※ 例えば住友林業の35坪・総額5,200万円の場合、頭金500万円・借入額4,700万円・金利1.5%・35年返済で計算すると、月々の返済額は約14.4万円が目安です。


