ソニーHT-A9M2とは
HT-A9M2とは、4本のスピーカーを用いて手軽にサラウンド空間を作り出す事ができるソニー最新のサラウンドシステムの事です。独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping(サンロクマル スぺーシャルサウンドマッピング)」を使い、各スピーカーユニットに内蔵されているファントムスピーカーから音を壁に反射させて音場を作り出すので、前後左右からだけでなく、上からも聞こえるという・・・なんだかものすごいサラウンドシステムです。
ちなみに、この商品は2世代目で1世代目(HT-A9)があります。
アンテナ主はこのHT-A9を3カ月間レンタルしてリビングで使用しておりましたが、我が家の環境に合わなかったのか音の途切れが多くコンテンツ視聴がストレスに感じたため、購入は断念しておりました。
それが今回アップデートにより、無線接続用のアンテナ本数が増えたことによりセンターユニットとスピーカーユニットの接続が安定したという事で解消されている。
今回のアップデートにより円筒形のスピーカーで2つのスピーカーを使っていたが、M2はボックス型になり内蔵するスピーカーも1つ増え3つになった事で音場の質もさらに向上しているとのこと。
- スピーカーユニットのデザインがボックス型となり、インテリアにマッチしやすくなった
- スピーカーユニット内のスピーカーが2個から3個になり音質が向上
- 無線接続用のアンテナ本数が倍増、より安定した接続に改善
我が家のリビングシアター
今回HT-A9M2を導入した我が家のリビングシアター環境を説明します。
・プロジェクター LG HU915QE
・スクリーン VIVIDSTORM VSDSTUST92H
接続機器
・PS5
・XBOX One S
を導入しています。超短焦点プロジェクターと格納ユニットからスクリーンが立ち上がるVIVIDSTORMで投射距離を必要としないシアター環境を構築しています。
あれ、リビングなのにTVは?と思われた方もいらっしゃるかもですが、我が家では地上波のTVを見る機会が少なく、専らYouTubeやAmazonプライム、Huluといったコンテンツ視聴やPS5等のゲーム利用が多いため、TVは設置せずプロジェクターのみ設置しています。
HT-A9M2導入前にスピーカーは設置しておらず、プロジェクター本体のスピーカーから聞いていました。これでも音質は悪くないのですが、サラウンドではないため臨場感はありません。
元々、サラウンドシステム導入は予定していたので、一式がスマートに設置できるように市販のTVボードではなく、オーダーメイドでライムス社に制作を依頼しました。(制作の詳細は別途記事にする予定です。)ケーブルはTVボード内から外に出せるよう左右の想定位置にケーブル穴を作っていますので、外からは配線が一切見えないように工夫してあります。
開封の儀!
まずは本体の外箱から。外箱は縦80cm×横1mくらいの大きさでリビングに運び入れるとインパクト大。
外装はカラフルな印刷等はなく、段ボールそのもの。
カラフルなパッケージも綺麗でよいのですが、段ボールむき出しのパッケージも無骨でプロっぽく感じられてこれはこれで好み。
いざ開封です。
ちなみに今回ソニーはパッケージにもこだわっているとのこと。
普段こういった複数のユニットに分かれる商品の場合、縦に入っているため開けたときに全容を確認できないことが多い(初代のHT9Aをレンタルした際のパッケージは縦置きでした。)が、HT-A9M2は開けた瞬間に目玉である4つのスピーカーユニットとグラフィカルな説明書きが目に入ります。これにより箱を開けたときのワクワク感をとスムーズなセットアップを可能としており、ユーザー体験もデザインしたとのこと。
可能な限りエコも追及
HT-A9M2は、外装や開けたときの体験だけでなく、梱包材などの細かい部分も環境への配慮がされており可能な限りプラスチックを使わないようにしているのだとか。
確かに普段この手の商品であれば発泡スチロールやビニール等で覆われているはずですが、開けたときそれらは無く付属の電池やケーブル類は梱包材に確保されているスペースに収まっていたため、開梱後のゴミが少なかったのを覚えています。
商品性だけでなく、エコなパッケージやワクワクを生み出すユーザー体験までをもこだわる姿勢、ソニーさん流石過ぎますね・・・
設置
HT-A9M2は初回設定時に、音場計測を実施し自動補正を行うので、4個のスピーカーの設置位置はある程度バラバラでも自動で調整され最適化されます。部屋の環境をサラウンドシステムに合わせる必要がないのは魅力的。
4本あるスピーカーはワイヤレスで接続するためスピーカー線は不要、電源ケーブルをつなぐだけでOK。
今回の設置場所はリビング。フロントスピーカーは左右を確認し設置。
左右のスピーカーの電源コードをボード内から通し接続。メインユニットはセンタースピーカーやを設置する予定だったスペースに設置。
HT-A9M2はリアスピーカーもあります。
我が家の場合、まだ歩き始めたばかりの子供がいるため、スピーカースタンドは使わずに壁付けが必須でした。なので、スピーカー本体はリビング中央にある梁に設置、電源はダクトレールからとる事でスタンドは使わずに目立たない形で設置しようと考えていました。
ただし懸念点もあり、梁が天井に近くの高い位置にあるため、設置後に音場補正が完了するか心配・・・
実はアンテナ主、商品発売前に銀座のソニーストアにて視聴しに行っており体感済み。その際に我が家の設置状況をスタッフの方にヒアリングしたのですが、その際は「天井から1m話す事が推奨環境である」と聞いていました。(心配だな・・・)
設置してから考えようという事でいざ設置開始。
壁付けの場合はスタンドが壁掛け金具になるため、水平器を使いながら慎重にビス止めです。
新築の我が家に穴を開けるので失敗しないように鉛筆など消せるペンでビス止め位置を確認しながら慎重に施工しました…
ちなみに、壁掛け用ビスは別売りなので、ホームセンター等で買いましょう。長さ30㎜以上×太さ4㎜である必要がありますので注意が必要です。
取り付け金具にスピーカーユニット本体を据え付け、下部のネジを締めて取り付け完了。この時スピーカーユニットに取り付けたフックを壁付け用の金具に引っ掛けるのですが高所での作業だったので引っ掛けるポイントが見えず危うく落とすところでした。
リアスピーカーの取り付けが終わり、すべてのユニットの取り付けが完了!完了後の正面はこんな感じ。
すべて設置してみた印象は、スタイリッシュの一言でした。
HT9A-M2のスピーカーユニットとHU915QEはどちらも正面がファブリック調で統一感もあり見事にマッチ。
センターユニットも中心のユニットスペースに入れられており、全体的にすっきりとした印象となりました。
- 音場の自動補正により、各スピーカーユニットの位置はバラバラでOK。
- リアスピーカーの位置は高い位置でも(アンテナ主の場合だと天井から1m以内でも大丈夫でした)
補正は可能。(設置環境によります) - 設置後も主張は少なく、スタイリッシュにまとまる。
セットアップ
アプリをダウンロード後、商品登録を開始。
登録後、自動補正開始。独特の音を各スピーカーから出してスマホのマイクで聞き取り位置関係や、設置環境までも理解して調整するというから驚き。
途中視聴環境整えるためにスマホを逆向きにして、スマホのマイクを活用した補正も実施。
終わるのか気になっていた自動補正も無事完了。
すべてセットアップが完了すると「360 Spatial Sound Mapping」の技術で収録されたでも音源が流れます。この音源の包まれ感は非常に感動もので、素晴らしい商品であることを実感させてくれます。
気になる音質、使い勝手は?
設置、セットアップが完了したので、試しにまずはサラウンドシステム系のレビューのド定番となっている「トップガンマーヴェリック」を視聴してみました。
「トップガン マーヴェリック」を視聴
映画冒頭、トム・クルーズ演じるマーヴェリックが実験機であるダークスターを離陸させるシーン、前から発信し上空を通り過ぎる際の音の流れが感じられました。実際に目の前を過ぎていったかのような感覚です。
また映画終盤、高性能な敵戦闘機とのドックファイトのシーン、ミサイルに追われ上空で爆発するシーンは上方から聞こえるため音の流れだけでなく立体感も感じられます。
「レディプレイヤー1」を視聴
ヴァーチャル世界「OASIS(オアシス)」内での冒頭のレースシーンでは、
主人公の操るデロリアンが障害物を避けながら敵を追い抜くカットがあるのですが、敵が障害物に当たる音や風切音等が、リアルに音が後ろに流れていくのを体感できました。また敵が落としたコインも一緒に流れていくのですが、コインが散乱する高めの音もしっかり表現しており、スピーカーとしての能力の高さも実感できました。
これら2つの作品を視聴して、同じコンテンツでも既存の環境で得られていた体験とHT-A9M2を通して得られる体験では別モノと感じました。既存の環境ではあくまでもコンテンツの外にいてそれを外野から見ている。という感覚だったのが、そのコンテンツの中にいるかのような感覚が得られるようになった。例えるなら動物園で檻の外から動物を見ているか、檻の中に入り一緒の空間にいるか。そのような感覚的違いが得られます。
ソニーストアで視聴した際はあくまでも専用の音響室でしたので、自宅の環境の場合は、音が良くなるくらいかもしれないと期待はそこまでしていなかったのですが、自宅でも体験は変わらなかったので、導入してよかったです。
ちなみに、上記2作品は5.1ch、7.1chフォーマットで視聴しましたが、この商品にはサウンドフィールドという機能がありYouTubeなどの7.1chや360度対応していないコンテンツでも疑似的にサラウンド化してくれる機能があるため普段はYouTubeや2.1chのコンテンツしか見ないという人でも充分に音質アップを実感できます。
低音は別売りのソニー製サブウーファー(SA-SW3・SA-SW5)を追加する事で迫力を足すことができるようですが、個人的にはHT-A9M2単体でも十分かなと感じました。サブウーファー特有のズーーンという沈み込んだインパクトは無いものの、低音のボリュームも増幅することができるため、無くても楽しめると感じました。
サブウーファーを足すかどうかは使ってみてから考えるでよいです。
ワイヤレススピーカーで気になるのは音の遅延や途切れですが、強めの無線LANルーターを使用しメッシュWi-Fiを構築している我が家の環境で1ヶ月程度使っていますが、一度も遅延や途切れは発生していません。
万が一音の途切れがひどい場合は、有線LAN接続による改善策もあり、安心です。
使い勝手
この商品、操作リモコンは簡易的な物となっており、ボタン数は限られています。
というのも細かい設定はセットアップに使用したアプリからできるようになっているから。一度設定してしまえば使わなくなるボタンで複雑なリモコンになるよりシンプルで良いですね。
また、普段はHDMI eARCでプロジェクターと接続しており、プロジェクターをオンにすると連動して起動、音量もプロジェクターのリモコンで操作できるため普段リモコンを取り出すことはあまりないです。
- アクションや立体的なシーンで立体音響を実感できる。圧倒的没入感。
- 低音もそこそこ出る印象、物足りない場合はオプション追加を。
- アンテナ主の視聴環境(10ギガ光+フラッグシップ級の無線ルーター)においては音の遅延、途切れは感じず安定した接続状況。
- リモコンはシンプル、細かい設定はアプリを使用。
まとめ
・設置、設定が簡単。設置場所に限りがあるリビングシアターでも導入ハードルが低い
・サラウンドフィールドにより、専用コンテンツでなくとも音質アップ
・前後左右から入ってくるサラウンドによる圧倒的な没入体験は素晴らしい