住友林業から、「ISAIPLUS(イサイプラス)」という新しい提案が登場しました。公開された情報を読み解いてみたところ、これまでの住友林業のイメージとは明確に方向性の違う住まいでした。
ひとことで言えば、「木をたっぷり見せる家」ではなく「ミニマルな箱に、木を少しだけ差す家」です。住友林業のデザインといえば深い軒と木質感というのが定番でしたが、ISAIPLUSはそこをあえて外しにきています。
この記事では、住友林業で実際に家を建てたアンテナ主が、ISAIPLUSのデザイン思想・間取りプラン・採用マテリアル・性能装備を整理します。あわせて、公表されていない情報(価格など)について住友林業の担当者に直接確認した内容もお伝えし、検討するなら何を見るべきかまで落とし込みます。
結論|ISAIPLUSは「ミニマルな箱 × 木」で住友林業の定番を外しにきた提案

先に結論からお伝えします。ISAIPLUSの設計の軸は、次の3つに集約できます。
- ① 無機質な「箱」をつくる……フラットでシンプルなスクエア形状。1階は開口部をあえて絞り、外から見るとクローズドな外観
- ② そこに木を「差す」……木調軒天・木調外壁材・木調囲み庇など、面ではなく線やパーツとして木を効かせる
- ③ 中庭と吹き抜けで内側に開く……外に対して閉じるぶん、住まいの内側に光と緑を取り込む
ISAIPLUSのキャッチコピーは「ミニマルに、斬新を。」。「研ぎ澄まされた空気の中に、さりげなく変化を添える、美しい木。」という一文が添えられています(住友林業公式カタログより)。木を主役にするのではなく、ミニマルな空間の引き立て役として木を使うという引き算の発想です。
従来の住友林業の商品ラインナップが「木の家」を正面から打ち出してきたことを考えると、これはかなり思い切った方向転換に見えます。都市部のデザイン住宅を志向する層や、これまで住友林業を「和モダンすぎる」と感じて候補から外していた層に向けた提案と読むのが自然でしょう。
この点は担当者も明言していました。「従来は木の質感や温もりを前面に打ち出していたのに対し、ISAIPLUSはグレーやタイルなど無機質な素材をベースに、その中で木や緑をアクセントとして活かす」——木の魅力を残しながら、より都会的でシャープな印象の住まいを提案する、というのがISAIPLUSの立ち位置です(2026年10月4日・住友林業の担当者へのヒアリング)。
ISAIPLUSの基本情報|公式発表でわかっていること
公式発表で判明したことと、いまだ不明なこと
2026年9月4日付の住友林業ニュースリリースで、次の点が公式に明らかになっています。
- 提供開始日:2026年9月4日(販売エリアは沖縄県を除く全都道府県)
- 独立した「商品」ではなく「デザインスタイル」:主力商品「MyForest」や「PROUDIO」など2〜3階建ての基幹商品を対象に適用する位置づけ。つまり構造はこれら対象商品に準じ、MyForest BFを選べばBF構法で建てることになります
- コンセプトは「異素材に木や緑を融合する」:無彩色・無機質な素材を基調に、木や緑をアクセントとして配置
- 外装仕様:外壁は住友林業オリジナル吹付材「アースサンドコート」(製品名は EARTH SAND COAT LS。2色を重ねて吹き付けコテ仕上げ、地層のような質感)や素材感のあるタイル。屋根は従来工法に加えシート防水も採用し、屋根の高さを抑えて太陽光パネルを載せやすくしている
- 環境面:鉄骨造・RC造を思わせる無機質なデザインを木造で実現し、建築時のCO2排出(エンボディドカーボン)を抑える「ウッドチェンジ」を打ち出している
出典:住友林業 ニュースリリース(2026年9月4日)/PR TIMES掲載版
一方で、公式発表だけでは埋まらない項目も残ります。検討材料として重要なので、あわせてお伝えしておきます。
- 坪単価・本体価格……公式には一切公表されていない(ただし担当者確認で「通常のBF構法と変わらない」ことが判明。後述)
- 対応可能な階数の上限……掲載プランは2階建て・3階建てのみ
ネット上には早くも「ISAIPLUSの坪単価は○○万円」といった情報が出てくるかもしれませんが、少なくとも公式発表にその裏付けはありません。費用感を知りたい場合は住友林業の坪単価の記事で全体像をつかんだうえで、営業担当に直接確認するのが確実です。
デザインの核心|ミニマルな箱に木を差す「引き算」の設計
※ 以下の仕様・引用は住友林業公式カタログより

ISAIPLUSの設計思想は、設計者の手描きスケッチ「Design Memo」に凝縮されています。順に読み解いていきます。
「フレームウィンドウ」で風景を切り取る
スケッチに「風景を切り取る“フレームウィンドウ”」と書き込まれています。窓を単なる採光装置ではなく、外の景色を額縁のように切り取る装置として扱う考え方です。
これは1階の開口部をあえて絞る設計と表裏一体です。住友林業は「1階はあえて開口部を絞った設計にすることで、取り入れる光を調整。心地よい陽光が差し込む空間を叶えています」と説明しています。全面を大開口にするのではなく、見せたい景色だけを選んで切り取る。住友林業の窓・サッシを選ぶ際の発想とは、かなり前提が異なります。
存在感のある「スクエア形状」
同じくスケッチに「存在感ある“スクエア形状”」の書き込みがあります。切妻や寄棟ではなく、水平・垂直で構成された立方体に近いシルエット。
外観写真を見ると、1階はコンクリート調の壁で閉じ、2階に横長の開口と木質ルーバーを配した構成です。住友林業の解説では「外から見るとクローズドな外観。しかし、屋根を完全に閉じるのではなく一部をルーバーにすることで、光や風がほどよく空間に入り込む設計」としています。従来の住友林業の屋根・外観デザインが深い軒と水平ラインで構成されていたのとは対照的です。
木の「差し方」は4パターン
ISAIPLUSで木が使われるのは、主に次の4か所です。いずれも面ではなく、パーツやラインとしての使い方である点が共通しています。
| 部位 | 住友林業の説明 |
|---|---|
| 木調軒天 | ミニマルなデザインに木の素材感を与える軒天材 |
| 木調外壁材 | ソリッドな住まいに、自然素材の表情を活かしたアクセントをプラス |
| 木調囲み庇 | 斜めからの視線を遮断し、縦横のラインが外観デザインとマッチ |
| 木質素材のパーゴラ | 2階テラスに設置。生み出す陰影が空間に豊かな表情をもたらす |
室内側でも「ミニマルな空間の一部に木を使用。対比による美しさや自然とのつながりを感じさせます」と説明されており、やはり全面ではなく一部という使い方で一貫しています。
フラットキャノピーと箱庇50
外観を構成するパーツとして、2つの庇が挙げられています。
- フラットキャノピー……薄型の庇が、デザインと機能を両立したシャープな外観を実現
- 箱庇50……吹付外壁と一体的なデザインを実現する庇
いずれも「庇の存在感を消す」方向のパーツです。深い軒を美点としてきた住友林業が、真逆の薄さ・一体化を打ち出している点は注目に値します。
間取りプラン3タイプを読み解く
※ 以下の仕様・引用は住友林業公式カタログより
ISAIPLUSでは3種類のプランが公開されています。いずれも中庭を住まいの核に据えるという共通点があります。住友林業の間取りの定番であるGRAND LIFEやPLUSKYとは設計の出発点が違うので、順に見ていきます。
基本プラン|中庭と吹き抜けを核にした回遊動線
DESIGN CONCEPTの章で最初に示される基本プランは、1階15,015mm × 12,740mmという大きめの敷地を想定したものです。
- 1階……玄関・エントランスクローク・和室・ギャラリー・シアタールーム・寝室・ウォークインクローゼット・シャワールーム・ウェルカムスペース。中庭を中心に配置
- 2階……LDK・書斎・浴室・ランドリールーム・洗面室・パントリー・子供部屋・テラス。中庭を囲む回廊動線
注目すべきはLDKを2階に置いている点です。1階は開口を絞る設計のため、採光の取りやすい2階に主生活空間を上げる構成になっています。住友林業は「1階から吹き抜けになっている中庭を中心に、回廊のような動線を設計。柔らかな光が差し込む空間を実現しています」と説明しています。
また「2階の天井は一部をくり抜き、梁を活かした斬新なデザインに。空間に開放感を与えながら、木造建築の構造美を感じさせます」と説明されており、構造体を意匠として見せる手法が採られています。
two story|中庭を核にした2階建て
1階11,375mm × 7,280mm/2階10,920mm × 8,645mmの2階建てプランです。
住友林業の説明をそのまま引くと「中庭を住まいの核に据えることで、光・風・緑を暮らしに取り込む2階建てプラン。1階の主寝室やヌックは、外からの視線を適度に遮りプライバシーを守りながらも、開放感のある心地よい居場所を実現しています。2階は、木質素材のパーゴラが生み出す陰影が空間に豊かな表情をもたらします」とされています。
こちらも1階に主寝室、2階にLDKという構成です。駐車スペース2台分が確保されています。
three story|二世帯・都市狭小地を想定した3階建て
7,280mm × 8,190mm(1階)/8,645mm(2・3階)という、間口の狭い敷地を想定した3階建てプランです。
| 階 | 構成 | 住友林業の説明 |
|---|---|---|
| 1階 | セカンドリビング・寝室・洗面脱衣室・浴室・エントランスクローク | 親世帯が安心して過ごせる機能的な空間 |
| 2階 | LDK・テラス・書斎 | 中庭のようなプライベート性のあるテラスを配置。周囲の視線を気にすることなく、自然の心地よさを取り込むLDK |
| 3階 | 主寝室・ウォークインクローゼット・洋室・テラス・パーゴラ | 空に近い場所に主寝室とテラスを配し、住まいに上質な余白を与える |
1階に親世帯の生活機能をまとめている点から、二世帯住宅としての運用が想定されていることが読み取れます。都市部の狭小地で3階建てを検討している層には現実的な選択肢になりそうです。
マテリアル|大判タイルと手仕事の外壁材
※ 以下の仕様・引用は住友林業公式カタログより
ISAIPLUSのMATERIAL章では、「手仕事と自然によってつくられた素材。研ぎ澄まされたデザインとの美しいコントラストを生み出します」というコンセプトのもと、内装・外装の素材が紹介されています。
インテリアフロア|大判タイル3種
ISAIPLUSの室内床は、無垢・挽板といった従来の住友林業の床材ではなく大判タイルが主役として紹介されています。
| 品名 | 住友林業の説明 |
|---|---|
| ViCORE サンドリネア | 砂岩調の流れと筋模様が特長の大判タイルが、心地よいリズムを加えます |
| COQUILLE(コキーユ) | 貝殻などの堆積で生まれた素材をモチーフにした大判タイルが、上質さを与えます |
| BRICKLANE(ブリックレーン) | セメントの無機質さに色ムラを重ねた大判タイルが、繊細な表情を描きます |
「空間全体に大地や地層、自然がつくる趣を感じられるタイルを使用。無機質な空間に豊かさをデザインします」と説明されています。木の床を前提としない住友林業というのは、やはり新鮮です。
外壁|EARTH SAND COAT LS
外壁材として紹介されているのは「EARTH SAND COAT LS」です。住友林業は「ISAIPLUSの外観は、フラットでシンプルなだけではなく、重厚な深みがあります。その深みをつくっているのが、大地を感じさせるテクスチャの仕上げ材。そこに太陽の光が当たり、豊かな陰影を生み出しています」と説明しています。
シーサンドコートやSODOに続く選択肢という位置づけで、濃淡6色程度のバリエーションが用意されています。「庭の植栽と調和しながら外壁材としての重厚さを演出」という説明です。
外装タイル|手仕事による3種
| 品名 | 住友林業の説明 |
|---|---|
| OYAISHI RESTILE(大谷石リスタイル) | 大谷石をリサイクルしブラスト加工を施してつくられた壁材が、空間に自然の息吹をプラス |
| GEO VERDE(ジオヴェルデ) | 職人の手で一枚ごとに凹凸や傷を施すことで、空間や外観にゆらぎを与え「侘び寂び」の美しさを演出 |
| ANTIGRAN VT(アンティグランVT) | 手作業でエイジング加工を施したオールドブリック調タイルにより、無機質な住まいと緑が調和 |
3種とも「手仕事」を前面に出した素材です。ミニマルで無機質な箱に対して、人の手の痕跡が残る素材をぶつけることでコントラストを生む——という狙いが明確に設計されています。
大判タイルや手仕事の外装タイルといったISAIPLUSらしい仕様は、総額を押し上げやすい要素でもあります。坪数と仕様から建築総額の目安を掴みたい方は、以下のシミュレーションをご活用ください。
🏠 建築総額シミュレーションで費用感を把握しましょう
住友林業での家づくりを検討する際は、事前に建築総額のシミュレーションを行い、年収や坪数に応じた費用目安を把握しておくことが大切です。
当ブログでは、年収・坪数・地域を選択するだけで簡単に建築総額の目安がわかる建築総額シミュレーションツールを用意しています。
※ 例えば住友林業で延床面積35坪の場合、建物本体価格は約3,850〜4,550万円、諸費用込みの総額は約4,800〜5,600万円が目安です。
性能|ISAIPLUSが推す3つの装備
※ 以下の仕様・引用は住友林業公式カタログより
PERFORMANCE章では3つの機能が紹介されています。いずれも「デザインを成立させるための性能」という文脈で語られているのが特徴です。
① SILENCE(静音性能)
「ISAIPLUSは、空間がもたらす洗練された静けさを守るための静音性能を搭載。気密性の高い住まいで目立ちがちな生活音を抑えることで、ノイズレスな空間を実現します」とされています。具体的な装備は2つです。
- 静音間仕切壁……部屋同士の音の伝わりを抑える仕様。生活リズムが異なる個室同士でも、音を気にせず過ごせる
- 静音ドア……開放時には24時間換気に必要な空気の通り道を確保。施錠するとシャッターが閉じて生活音を抑える。仕事部屋やトイレなど、音が気になる空間に最適(住友林業の建具・ドアの選択肢としても注目)
静音ドアの「施錠するとシャッターが閉じる」という機構は、在宅ワークが定着した今の暮らしに素直に効く装備だと思います。気密性能が上がるほど室内の音が響くという現象は、実際に高気密住宅に住むと体感する部分で、ここに手を打ってきたのは実務的です。
② AIR COMFORT(空気質)
「換気システムや全館空調システムで室内の空気環境の質を高めます」として、換気3種・全館空調2種が紹介されています。
| 区分 | 名称 | 住友林業の説明 |
|---|---|---|
| 換気 | 熱交換気システム(第1種ダクト式) | IAQ制御で室内外の温度差に合わせて給排気量を自動調整 |
| 換気 | 壁掛け熱交換気システム(第1種ダクトレス) | 1部屋1台の設置で給気と排気が同時に可能 |
| 換気 | 空気清浄換気システム e-kikubari(第1種ダクト式) | 電子式エアクリーナーを搭載し、汚れなどを循環しながら除去 |
| 全館空調 | PRIME AIR | ルームエアコン1台で住宅全体を空調。換気と同時に湿度も調整できる |
| 全館空調 | エアドリームハイブリッドS | 電子式エアクリーナーで微細な粉じんまで除去 |
興味深いのは「第一種熱交換換気システムで植物の健康まで守る」という打ち出し方です。「適温の空気が行き渡る住まいは、人はもちろん、空間を飾る植物にも最適な環境をつくります」とされており、後述する植物コーディネートと一体で設計されています。
全館空調については「金属やタイルなどの無機質な素材を用いたデザインや、無彩色の空間でも、冷たさを感じさせない住み心地を実現できます」と説明されています。大判タイルの床は体感温度が下がりやすいので、全館空調とセットで考える前提なのでしょう。全館空調メーカーの比較もあわせて検討材料にしてください。
③ CEILING HEIGHT(選べる天井高6段階)
ISAIPLUSでは天井高を6段階から選べます。
天井高シミュレーター
ボタンを押すと、身長170cmの人を基準にした天井の高さが切り替わります。
日本の住宅で最も一般的な天井高です。家具やカーテンの選択肢が最も 多く、コストも標準的です。
※ 身長170cmを基準にした概念図です(当ブログ作成)。実際の見え方は部屋の広さ・窓の大きさ・照明計画によって変わります。敷地条件やプランにより選べる高さは異なります。
「お客様のご要望に合わせて選べる天井高は、空間に豊かな広がりや余白をもたらすだけでなく、背の高い植物を美しく配置するためのキャンバスにもなります。高く伸びやかな空間が、植物や光が織りなす陰影の移ろいをよりダイナミックに映し出します」という説明です。
ただし住友林業は「敷地条件やプランにより選べる高さは異なります」としています。6段階すべてが常に選べるわけではない点は押さえておきましょう。
ACCESSORY+|造作と植物まで設計対象にしている
※ 以下の仕様・引用は住友林業公式カタログより
ISAIPLUSで個人的に最も特徴的だと感じたのが、ACCESSORY+の章です。造作と植物の配置までが設計領域として扱われています。
壁と一体化した造作収納・ニッチ
- 「壁面と一体化した造作収納デザイン。白の壁面がキャンバスとなり、小物を美しく引き立てます」(住友林業の収納の考え方とは方向性が異なります)
- 「壁の一部に設けた自然素材のタイル、壁をくり抜いた縦型ニッチ。豊かな質感と入り込む光が、書斎に上質な奥行きをもたらします」
- 「空間のアクセントとして、石造りのような壁面をくり抜いた造作を採用。静かな空間に変化を与えます」
植物のコーディネートまで計算
「空間の素材や過ごし方などに合わせて、最適な植物をコーディネート。素材感の強い壁の前にはすっきりとした植物を、ソファ横には圧迫感のない植物を。また、植物による視線誘導なども計算して配置しています」とあります。
インテリアグリーンを「置くもの」ではなく「設計要素」として扱う姿勢は、ミニマルな空間だからこそ成立する考え方です。無機質な箱に生命感を与える役割を植物に担わせている、と読むのが正確でしょう。
施主目線|担当者に聞いてわかったこと
ここまでは公開されている情報の整理でした。ただ、実際に検討するとなると「で、いくらかかるの?」「性能は落ちないの?」が気になるはずです。どちらも公式には出てきません。そこでアンテナ主が住友林業の担当者に直接聞いてきました(2026年10月4日・住友林業の担当者へのヒアリング)。
結論から言うと、身構えるような特別な商品ではありませんでした。要点は次の4つです。
| 気になるところ | 結論 |
|---|---|
| これは新商品? | いいえ。既存商品に追加されたデザインの選択肢 |
| 構法は? | BF構法。いつもの住友林業と同じ |
| 高くなる? | 坪単価は変わらない。タイル代が上乗せされるだけ |
| 性能は落ちる? | 落ちません。断熱も耐震も通常と同じ |
「新商品ではない」という事実が、いちばん効いてくる
ISAIPLUSは独立した住宅商品ではなく、MyForestやPROUDIOといった既存の注文住宅に、後から追加されたデザインの選択肢です。カーモデルで言えば新車種ではなく、新しい内外装パッケージが増えたようなイメージに近いと思ってください。
これが分かると、芋づる式にいろいろ読めてきます。構法はMyForest BFと同じBF構法。価格の土台も、性能の土台も、すべて元の商品に準じる——つまり「ISAIPLUSだから」という理由で変わるものは、見た目と素材だけということです。
価格:上乗せされるのは「タイル代」だけ
最も気になる費用について、担当者の回答は「通常の坪単価と変わらない」でした。注文住宅なので最終的には要望次第、というのが前提にはなりますが、ISAIPLUSを選んだこと自体による値上がりはありません。
ただし、ISAIPLUSは床にも壁にもタイルを使うスタイルです。そのぶんはオプションとして積み上がります。担当者の表現を借りれば「少し追加になるかな、という感覚」とのことでした。
整理すると、こういう構造です。
- 土台の坪単価……MyForest BFなど、選んだ商品のまま(住友林業全体の相場は110万〜130万円)
- 上乗せ……大判タイルの床、タイル貼りの壁など、採用した範囲に応じたオプション費用
言い換えると、タイルの採用範囲を絞れば費用は抑えられるということでもあります。全面に使うのか、玄関とLDKだけにするのか。ここは設計段階でコントロールできる余地が大きい部分です。費用の全体像は住友林業の坪単価の記事で確認してください。
性能:デザインのために我慢する必要はない
デザインを前面に出した商品だと「見た目に振ったぶん、断熱や耐震が犠牲になっているのでは」と疑いたくなります。ここも聞いてみましたが、答えは明快でした。BF構法なので、断熱も耐震も通常の住友林業と変わりません。具体的な数値はプランとエリアによって決まります。
つまり住友林業の標準仕様がそのまま土台になります。ISAIPLUSを選んでも性能が落ちることはなく、逆に上がることもない。デザインと性能はトレードオフではない、と考えて問題なさそうです。
従来との違い:木が「主役」から「アクセント」になった
では何が違うのか。担当者が挙げた最大の違いはデザインアプローチでした。
従来の住友林業は、木の質感や温もりを前面に打ち出してきました。対してISAIPLUSは、グレーやタイルといった無機質な素材をベースに置き、その中で木や緑をアクセントとして活かします。木の魅力は残しつつ、より都会的でシャープな印象にする——という狙いです。
素材の構成比が逆転した、と言い換えてもいいと思います。これまでは木が主役で無機質な素材が脇役、ISAIPLUSはその関係が入れ替わります。住友林業らしさを期待して展示場に行くと面食らうかもしれません。逆に「住友林業は和モダンすぎる」と候補から外していた人には、刺さる可能性があります。
それでも見積もり前に確認しておきたいこと
大枠はこれで固まりましたが、自分の計画に落とし込むには次の4点が残ります。実例見学や初回面談で確認しておくと、後の打ち合わせがスムーズです。
- タイルのオプション費用が実際にいくら乗るか……「少し追加」の幅は面積と採用範囲次第。自分の計画規模で見積もりを取るのが確実です
- 公開されている3プランはどこまで変更できるか……「規格」なのか「参考プラン」なのかで打ち合わせの進め方が変わります
- 選べる天井高の実際の制約……「敷地条件やプランにより異なる」の具体的な条件を確認
- 大判タイル床のメンテナンスと体感温度……実例見学で裸足の感触まで確かめることを強くおすすめします。床暖房や全館空調との組み合わせもあわせて
なお住友林業は、実際に建築される構造・仕様・設備などは、構法・プラン・敷地・気候条件・地域・法規・条例などにより公開情報と一部異なる場合がある、としています。最終的には個別の敷地条件次第という点は変わりません。
ISAIPLUSが向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 都市部でプライバシーを守りつつ開放感がほしい | 大開口から庭を眺める暮らしがしたい |
| ミニマル・無機質なデザインが好み | 木の温もりを全面に感じたい |
| 中庭のある暮らしに憧れがある | 敷地に余裕がなく中庭を取りにくい |
| LDKが2階にあることに抵抗がない | 生活動線をワンフロアで完結させたい |
| 大判タイルの床を許容できる | 無垢・挽板の足触りを重視する |
| 二世帯・3階建てを検討している(three story) | 平屋を検討している |
特に最後の点は重要です。平屋を検討しているならGRAND LIFEなど従来のラインナップのほうが素直に合います。ISAIPLUSに平屋プランは用意されていません。
よくある質問(FAQ)
2026年9月4日に提供が始まった、住友林業の注文住宅の新しいデザインスタイルです。「ミニマルに、斬新を。」をコンセプトに、ミニマルで無機質な空間に木を差し込むデザインが特徴で、中庭を住まいの核に据えた2階建て・3階建てのプランが収録されています。
住友林業の担当者に確認したところ、通常のBF構法と坪単価は変わらないとのことでした。ISAIPLUSは専用商品ではなく注文住宅のデザインスタイルのため、価格の土台はMyForest BFなど対象商品と同じです。ただし床タイルや壁タイルを使うスタイルのため、その分のオプション費用が少し追加になります。参考として住友林業全体の坪単価相場は110万〜130万円(2026年7月時点・担当者確認)です。正確な費用は自分の計画規模で個別見積もりを取って確認してください(2026年10月4日・住友林業の担当者へのヒアリング)。
BF構法(ビッグフレーム構法)です。公式発表では構法名が明示されていませんでしたが、住友林業の担当者に確認して判明しました。ISAIPLUSは「MyForest」「PROUDIO」など2〜3階建ての注文住宅を対象としたデザインスタイルのため、構造はこれら対象商品に準じます(2026年10月4日・住友林業の担当者へのヒアリング)。
公開されているのは2階建て(two story)と3階建て(three story)のプランのみで、平屋プランはありません。平屋を検討する場合はGRAND LIFEなど他の商品を確認することをおすすめします。
変わりません。住友林業の担当者によれば、ISAIPLUSはBF構法のため断熱・耐震ともに通常の住友林業と同じで、具体的な仕様はプランとエリアによって決まります。デザインスタイルを選んだことで性能が下がることはありません(2026年10月4日・住友林業の担当者へのヒアリング)。
2.1m/2.25m/2.4m/2.55m/2.7m/2.85mの6段階が用意されています。ただし住友林業は「敷地条件やプランにより選べる高さは異なります」としているため、すべての高さが常に選択できるわけではありません。
ISAIPLUSでは、ViCOREサンドリネア・COQUILLE・BRICKLANEという3種類の大判タイルが室内床として紹介されています。木の床を使えないという記載はありませんが、提案の軸は大判タイルに置かれています。
開放時には24時間換気に必要な空気の通り道を確保し、施錠するとシャッターが閉じて生活音を抑える仕組みです。仕事部屋やトイレなど、音が気になる空間に適していると説明されています。
まとめ|「木の家」の住友林業が出してきた、引き算の一手
ISAIPLUSを一言でまとめるなら、住友林業が自社の代名詞である「木質感」をあえて抑え、ミニマルな箱の引き立て役に回した提案です。
- デザイン……スクエア形状・フレームウィンドウ・1階は開口を絞る。木は軒天・外壁材・囲み庇・パーゴラにパーツとして差す
- 間取り……中庭が核。基本プラン/two story/three storyの3タイプで、いずれもLDKは2階
- マテリアル……室内は大判タイル3種、外壁はEARTH SAND COAT LS、外装タイルは手仕事による3種
- 性能……静音性能(静音間仕切壁・静音ドア)/換気3種・全館空調2種/選べる天井高6段階
- 造作・植物まで設計対象
一方で、価格という判断に直結する情報は公式には公表されていません(構法・発売日は公式発表で判明)。世界観に惹かれたら、次は必ず数字の話を聞きに行く——これが現時点での正しい進め方だと思います。
住友林業で建てることを前向きに検討しているなら、紹介制度を使った問い合わせを先に押さえておくと、同じ商談でも条件面で差が出ます。問い合わせの前に一度目を通しておくことをおすすめします。
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